範宙遊泳「となり街の知らない踊り子」を観た

範宙遊泳となり街の知らない踊り子」を観た。
ネタバレではないんですけど、これから観に行く人であんまり情報入れたくない人は読まないでください・・・。でもすごく面白かったですよ!

ダンサー1人だけで何人分もこなし、ダンス自体から言葉から流れから音楽から全部、僕などではもう何も言えません、みたいなバキバキの完成度で、本当にすごかった。
前に、タイ版の幼女Xを見た時、ちょっと理屈っぽそうな感じ、がしていて、その時は演出が2人いたのもあったんだろうけど、今回もそれを想像して気楽な気持ちで観たら、ドッカーンって感じ、きっちり作って壊して覆いかぶせる、みたいな作業の繰り返し繰り返し、みたいな重さでもって、Twitterのそのまんま生活感から満員電車のちょっと誇張感まで、変なリアリティでどんどん迫ってきて、最後など泣いてしまい・・・。
「生まれてないからまだ死ねない」は見ていなかったんだけど、そんなようなシーンもあり、もう幽霊ですらない、平行世界、今この世界に存在しなかった過去の可能性の中の人物、が今目の前で言葉を出している、ハッ、もう演劇それ自体!と思いきや、長めのダンスであのダンサー自体の体みたいなもの、にうまい距離感で引き戻されて、そのリズム!どどどっと出した伏線を近い過去の記憶、遠い昔の記憶、の何点かのポイントで全て拾って爆発させ、いつのまにか場所や時間どころか、一人称はどんどん変わり、ところどころ間の抜けたシーンをうまく挟み、そして最後、わーっといい話で終わるのかと思いきや、破壊!した後の、ほんとに全部MAXの盛り上がり、何言ってんのブスじゃないわよ!すごかった!

飴屋さんとかの、なんで、なにがどうなってこんなにいいの?みたいな謎さ、僕の一番大好きな部分、というよりか、全編超クリアーな見通しの良さ感、からあれだけガーンときて、恐ろしい。
僕なんかこんな普通の感想になっちゃって、でもきっと頭のいい人たちがどんどん考察?みたいのを書いていくだろうし、台本も買ったしで、これからまた楽しみだなー。

行く前にTwitterで誰かがリツイートしてた、舞台か何かを作ろうとして観るのと、観ようとして観るのでは全然違って、どっちもいいよね、みたいな話、やっぱりどうしても今の僕は後者のが強くて、歯がゆい思いもあり。
でも、範宙遊泳、5年後、10年後の新作も、ぜひ観続けたい。その時にはチケットの争奪など大変になってるかもしれないけど、とりあえず次の新作が出てくれたら、また行きたい。それからこの舞台の唯一の出演者、北尾亘さんがとにかくポテンシャル高すぎ!というのはもう全員一致の感想で、ソロでやるらしいと聞いたので、これも見たいな。仕事終わってるだろうか?

車で行っていたので、会場で出会った知り合いを乗せて、この人達どう理解してるのか、頭開いて中を覗きたいな、と思いつつ、なんかこの舞台の事が頭から抜けたらどうしよう、みたいな感じで、ちょこっと恐る恐る帰り。
COMP.田上さんという人が一緒に乗っていて、今この記事からリンクを貼ろうと見てみたら日記が書いてある!ので今読み、この人車の中でおとなしかったけどこんな事考えてたのね・・・。すごい。

家に戻る途中、高田を乗せて我孫子のデニーズ。
仕事を進めて、作品のアイディア出しみたいの一緒にやって、インディアンポーカーみたいので遊んで、和やかにさっき帰宅。

すごくいい日だった。

吉原芸術大サービスで「おそいひと」など

6日は結構ギリギリ、仕事でいっぱいいっぱいで、でも前に書いたけど吉原芸術大サービスというのが家から歩いて1分のところでやっていて、調べたら「おそいひと」というのを野外上映すると書いてあったので行き。

会場で、大学の同級生2人と偶然会ったり、佐藤さん率いる?ダンスグループCOMP.の面々にも会ったり、あとからTwitterを見てみたら知り合いが実は大勢いたみたいで、こういうイベントの最終日はいい!

aokidさんのダンスなど見て、さわやかな女性ボーカルのPOPミュージックをバックにでかい紙飛行機を飛ばしたり、最後はお客さんをステージに引っ張りこんで、など、踊りの感じはよく公園とかで若者が練習してそうな、みたいな雰囲気で、見るの初めてだったんだけど青春ワーイみたいな、なんとなくcontact Gonzo的なのを想像してたので、明るくてびっくりした。よかった。

おそいひと」は、高校生の時にX51.orgで主演の人のインタビューを見て気になっていて、というのは前にも書いたけど、Chris CunninghamとAphex Twin的な?WARPミュージックビデオ的な、スタイリッシュなオープニングから始まり、もっと暗い暗いずっと暗いテンションで始まりから終わりまで続く映画だと思っていたのでウオオってなった。
僕の場合など感情移入するのは完全に主人公の住田さんで、「去るもの追わずだよ」のセリフと一緒に、やべーこんなの見てしまって大丈夫だろうか、って思いつつ・・・。
なんかあんまり書けないけど実生活との変なリンクがいくつかあり、ビビビン、見た後ズーンってなってた。

監督の柴田剛さんが隅っこにいたので、面白かったです、と伝えたら、「うれしいな」と言いながら、やーまん!みたいな、ヒップホップみたいなしぐさで挨拶されて、ポップな良い人だった。

代表の阿部さんという方にもお会いして、聞けば色々面白い作品いっぱいあったみたいで、もっときちんと見にくればよかった。来年は僕もなにか出したいなあ、と言ったら、結構みんなウェルカムな感じで嬉しかった。

妹との朗読で、山下澄人「星になる」とか

5日に、大木裕之「超 たまたま 13th」で、引きこもりの妹と朗読をした。

やったこともないし、あんまり時間とってしらけさせちゃうのも、と思って、10分くらいで宮澤賢治を朗読するつもりが、やっぱりどうしても山下澄人「星になる」が気になり、当日の朝にコンビニのコピー機でコピーして、恐れ多くも自分達で読むところだけ抜いていき、全部で50分のところ、どうにか30分くらいに収まり。これでも長いとは思ったけど、音楽のライブとかもまあこのくらいあるでしょ、許して許して、くらいの感じで・・・。
妹を実家まで迎えに行って、もう1人の妹も来るというので会場で合流し。

大木さんがわーっと、会場にある作品を壊しつつトライアングルをチンチン鳴らしながら、クミコスキーさんという方が音楽を流して、熊のぬいぐるみを抱いて「よーしよしよし」と号泣し・・・みたいなパフォーマンスの直後、「大井ちゃんやって」と言うので慌てて読み始め。
妹の声と僕の声が重なって、そのうちズレて、交互の顔を見てなんとか追っていって、みたいなのをやりたかったんだけど、読み始めて1、2ページ目くらいで、内心「あ、これは長すぎるわ」とやっぱり思い、でも開き直って最後まで読んだ。

読み終わって顔をあげると、全員の目がもう、半目になっていて、え、終わったの?みたいな感じで・・・。

会話文が長く続くところ、互い違いの掛け合いにしたんだけど、そこを褒めてくれる人が多くて、次回?に向けて、もう少し掛け合いを出していって、長い朗読は1/10くらいに少なくして?、もう少し練習して、など、課題が悶々とわき上がった。
朗読、なんて形にしちゃったけど、2人がお客さんの前に立って何か発語するとすれば、やっぱりそれは舞台で、また気楽にやりたいなあ、これ。

最後、会場が全部はけて、大木さんが寝っ転がって、「いやよかったんじゃない」と言ってくれて、またもう少し洗練させてきます、と言ったら、親指をグっと立ててくれた。
久々に外に出たと言う妹も、楽しかった、と笑っていて、それが大げさな、評価を待つような大作じゃなくともこうして気楽なアクション、は、僕実はほとんど初めてで、でもこうして終わって、本当によかった。ね、アイディア出してから1週間で出来ちゃったじゃない。

大木さん、見てくださった方、連絡をくれた方、偶然居合わせて買ったばかりだというCanon 6Dで素晴らしい写真を撮ってくれた阪中くん、どうもありがとうございました。
またぜひ、やるぞう!