7月に京都市に引っ越す事にした。
元々、去年の秋頃に、大阪のATRとかいうところにアンドロイドを見に行く旅行に行って、京都は1泊だけのつもりが20泊もしてしまったのだった。
月光荘という、安いゲストハウスに泊まったんだけど、1階が飲み屋になっていて、そこの常連さんやお店の人がみんなやさしくて、何か面白い場所はないかと言うと、ほんとに1人1人が2、3個ずつおすすめを教えてくれる感じで、次の日その場所に行くと、今度はその場所の人が他の場所を2、3個ずつおすすめしてくれて、という、人づたいの流れがあって、そしてほんとに全部がちゃんと面白い場所で、神社やお寺から飲み屋、川で鳩にパンくずをあげると楽しい、と言われて食パンを1斤買っていったら鳩は1羽もいなくて、そこに通りがかりのおじいさんが話しかけてきて蕎麦をご馳走になったり、など、とにかくそういう変な流れ流れで結局20日も経ってしまったのだった。
町自体の大きさも、だいたい端から端まで10kmあるかないかで、レンタルしたママチャリでどこまでも行けて、その全域にいろんな人が和気藹々と住んでいて、というかスーツを着たサラリーマンみたいな人が東京に比べると1/10いるかいないかって感じで、何をしている人か、みたいな、ほとんど世間話みたいなことでも聞いてみると、サラリーマンですって一言言われて終わり、みたいな事が1回もなくて、林業をやっていて山の斜面に登っていく話だとか、料理屋をやっていて湯豆腐を作る話だとか、髪を切るのが好きで道具だけ持って毎週ここにくるとか、御輿が大好きで毎日のように祭りを廻っているんだとか、織物をやっていて糸を紡ぐ話だとか、その話しぶりにみんな自信があって、この町で暮らしてみたいな、とすごく思っていた。
もちろん旅行と実際に住んでみるのはまた違うけども、そもそも千葉県我孫子市、完全に東京のベッドタウンで生まれ育って、自動的に東京に住んでる現状からすれば、好きだな、って思った町ができてそこに移動していく、というのは、やっぱり希望でしょう。
それで、ちょっと東京の会いたい人たちに連絡して、会えなかった人もいるけど大体会って、飲んだりして、東京にこのままいる方がいいと言ってくれたりして嬉しかったり、なんだこんなに普通に人と会ったりできるなら何も変わらないんじゃ、と思う瞬間もあり、でも僕の今までで、まずそういうのが自然に発生したのが京都なので、少し行ってみるのはやっぱりいい事だろう。
6月中にアパートを出なきゃなので、そうすると今日を含めてあと10日間!しかなく、今日はこれから段ボールに本などつめて、向こうに小さな倉庫を借りて、など、ちょこちょこやろうと思う。